進士 美保子 Mihoko SHINJI
『烏賊(イカ)の孤独』
娘の夫からもらった 千葉の干物がくるんであった緑色の紙と包装紙でつくった「イカ一杯水族館」
水族館は水羊羹の空き箱
その日は教室で大勢の保護者が見守る授業参観日だった。
先生が何かおっしゃった。
私以外の全員が元気よく手をあげた。
「ハーイ! ハーイ!!」
先生の話を全然聞いていなかった私は、慌てた。みんなが手をあげているのだから私もあげなきゃ恥ずかしい。
指されることはないだろうと安易な気持ちだった。
おそるおそる手をあげた。
「ハーイ! ハーイ!!」
相変わらず周りの大きな声。
その時だった。
「はい、美保子ちゃん!!」 先生の声。
キョロキョロまわりを見回した。
「えっ? えっ? えっ?」
みんなの視線が集中して注がれる。
おそらく顔は真っ赤になってただろう。
えっ? えっ?と言って下を向いてしまった。
・・・・・それからどうなったかわからない。
何もわからなくなって、まったくの”孤独”だった。
大きな真っ暗な洞穴の中で一人だけで座って、どこかを見つめているような心境だった。
恥をかいた幼き頃の思い出も、投稿することで忘れられるような気がする。お洒落してきた母も穴があったら入りたかったンじゃないかしら![]()

Leave a Reply