『お琴を弾くミホコ(父 撮影 松井田町の自宅で)』
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夫が育った福井県の吉川小学校では、講堂兼体育館で映画を見たと言う。
私の生まれた群馬県松井田町には、 松映館(しょうえいかん)と文化劇場という二つの映画館があった。
松映館は昔ながらのチャンバラ・時代劇専門、文化劇場は石原裕次郎や小林旭など、若者が
見る”今どき映画館”だった。
二つの映画館では一度も外国映画は上映されなかった。
洋画をみたのは汽車で一時間の高崎の女子高に入ってからだったし、またその後は進学した東京でだった。
子供の頃、文化劇場で初めてみた文芸映画は、鰐淵晴子主演の「ノンちゃん雲に乗る」(石井桃子作、新東宝制作)。
それも、たったひとりで。
昔は平和だったなあ。
入れ換えもなかったし、私の胸をギュッと深くとらえたので何度も観た。
夕方、心配した母が迎えに来た。
子供心に、高い空の上の雲に乗ったノンちゃんは夢のようにステキだった。
習い事のお琴はやめ、空飛ぶ絨毯に乗って広い世界だけを駆け巡りたかったものだ。

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